お問い合わせ

トラストコンシェルジュは不動産屋さんの不便を便利にするために作成された、ホームページを提供しています。インターネット不動産でお困りのことがございましたら、トラストコンシェルジュにお任せください!

2017年7月29日 ブログ, 不動産コラム

マンションができてから14年が経過しましたが、数年前から管理費等を支払っていただけず多額の滞納をされている方がいます。管理会社に相談したところ、
「今後の対応は理事会で検討してほしい」と回答があり、具体的な解決策の提案や積極的な督促を行っていただけません。

先ずは理事会と滞納されている方との話し合いの場を設け、今後の支払い計画について協議しようと思いましたが、面談の申し入れをしても何のお返事もいただけない状況です。

このままではどんどん滞納金が膨らみ、管理組合運営に影響が出るのではと心配です。また、2年前の大規模修繕工事で多額の出費があり、昨年度の総会で修繕積立金の増額が決議されるなど、今後益々お金が必要になります。一刻も早い解決を望んでおりますが、どうしたらよろしいでしょうか?

①早期回収

どのケースにも当てはまりますが、長期間滞納が続き滞納額が高額になればなるほど、一括でお支払いいただくことは難しくなります。短期間の滞納でも速やかな督促活動を行い、早期回収に努めることが滞納問題を悪化させない為のポイントになります。三菱地所コミュニティでは、滞納があった場合は1ヶ月目から、書面送付及び電話・訪問などによる督促業務を行っている他、6ヶ月目になった段階で内容証明郵便による督促を行いますので、滞納者されている方が驚き、コンタクトが取れることもあります。

②支払督促や少額訴訟

三菱地所コミュニティでは滞納6ヶ月を超えた後も書面・電話・訪問などによる督促を実施させていただいておりますが、これだけ長期間の滞納になると通常の督促方法ではなかなか支払っていただけなく、話し合いなどの申し入れに対しても対応いただけない状況となっています。そのような場合には、「支払督促」や「少額訴訟」など法的手続きによる督促が効果的です。裁判所から書面が届くと、それまで話し合いすら応じていただけなかった方でも、すんなりと入金され、あっという間に解決に至ることも多々あります。なお、法的手続きというと「弁護士に依頼し、多額の費用がかかる」と言ったイメージがあるかもしれませんが、滞納額によっては司法書士にて対応可能ですし、弁護士報酬よりもリーズナブルです。
なお、管理規約の規定によっては、法的手続きに要した費用を滞納された方に請求できるケースや、法的手続きを行う場合の要件が、「総会決議」・「理事会決議」と異なることがありますので、事前に確認しておくことが重要です。

③強制執行

訴訟を提起し勝訴判決を得ても管理費等の支払いがない場合、強制執行手続きにより滞納金の回収を検討する必要があります。方法としては「債権差押」(「口座差押」「給与差押」)「動産差押」(家財道具類)「不動産競売」などありますが、それぞれメリット・デメリットがありますので、専門家に相談のうえ適した対策を講じることが望ましいです。

弁護士に依頼し、訴訟手続きによる回収を目指しました。結果としましては、競売申し立て直前に、「マンションを売却して一括返済したい」と申し出があり、滞納されていた方・理事・弁護士・管理会社担当にて協議し「売却が完了するまでの間、毎月の管理費等は必ずお支払いただくこと」を条件に競売の申し立てを一旦見送ることとなりました。

後日、無事売却先が見つかり、裁判に要した費用・遅延損害金を含む滞納管理費等全額を回収することができました。