音を吸収しやすい材料のこと。グラスウール・ロックウール・軟質ウレタンフォームなどの多孔質材料、軟質繊維板・木毛セメント板などの多孔質板材料、帆布カンバスやビニルシートなどの膜材料、あなあき石膏ボードなどがある。吸音性能(吸音力)は、各材料の吸音率、厚さ、密度などと関係する。カーテンや敷物なども吸音材料の一種。吸音材を使って空調機器などから発生する騒音を抑える装置を「吸音器」または「消音器」という。
ひとり暮らしの高齢者などが住宅内で急病や火災などの緊急事態に陥った時に、消防指令センター(消防局)や警備会社などに自動的に通報され、速やかな対応ができるようにしたシステム。緊急ボタンの付いた家庭用端末、ペンダント式のワイヤレス発信器が基本。火災感知器やガス漏れ警報器と連動しているタイプも。65歳以上のひとり暮らし老人、寝たきり高齢者のいる世帯向けに自治体が福祉サービスとして取り入れているケースも多い。
天蓋。建築では、上部を蓋状に覆った庇。柱で支えられるか、上から吊されて頭上をカバーした状態のもの。ホテルやビルの1階、エントランス前に設けた車寄せをキャノピー形式にするケースが多い。商店の出入り口などに日射しや雨除けのために差し掛けられた屋根状のテント、照明器具の笠、4本柱で支えるベッドの天蓋、飛行機のコックピットの透明なハッチ、パラシュートやハンググライダーの傘なども、キャノピーと呼ばれる。
マンションのエントランスから各住戸へ行くまでの廊下のこと。複数の居住者が共同で使う共用部分のひとつ。建物の片側で外気に面した外廊下(開放廊下)がもっとも一般的。両側に住戸がある中廊下タイプもある。ホテルやオフィスビルが後者のタイプ。日中の照明や換気設備がいるので高級になる。その他、2列に並んだ廊下を空中廊下でつないだツインコリドール型、超高層マンションで塔状の建物に囲まれたロの字型廊下などがある。
直訳すると「現金の流れ」のこと。つまり、投資活動や経費として実際に支出したお金と、売上によって入ってきたお金の動きを意味する。最終的に損益計算書のプラス・マイナス(現金残高)で表現される。会計基準が変わってもキャッシュフローは変わらないため、事業の収益性を判断するうえで重要な指標になる。不動産経営では、継続的に入る賃料収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)の総和がキャッシュフロー。
共同住宅などの建物の中で、複数の人が共同で利用する施設。分譲マンションの場合、専有部分(住戸内)以外のスペースを共用部分というが、その共用部分のうち、集会室、キッズルーム、フィットネスルーム、パーティルーム、シアタールーム、ゲストルーム、屋上庭園など、その場所で何らかの活動をするスペースを指すのが一般的。開発規模が大きいほど、共用施設が充実する傾向にあるが、その分、メンテナンス費用もかかる。
通常のマンションでは、床の荷重を支える梁をスラブの下側(下階の天井側)に設けるが、スラブの上に出して床の荷重をつり下げる形で支えるようにした工法を「逆梁工法」という。「逆梁」は「さかばり」とも読む。さらに、この逆梁をバルコニーの手すり側に出すと、開口部の高さを天井に近い位置まで上げることができる。そこに通常よりも背の高いサッシ=ハイサッシを採用する場合に、「逆梁ハイサッシ」とセットで表示される。
家主や地主が家賃・地代を受け取らない時に、法務局などの供託所に金銭を預けること。賃料の値上げ要求に反対して、従前の金額を支払おうとしても家主が受け取りを拒否する場合など、債務不履行で不利益を得ないための手段になる。厳密には、このタイプを「弁済供託」といい、他に民事執行手続きに伴う「執行供託」、損害を担保するための「保証供託」、公職選挙法による立候補や商号の仮登記のための「没収供託」がある。
設計の初期段階で、施主に対するプラン提案、打ち合わせのために作成される基本的な図面。縮尺100分の1の各階平面図、立面図、仕上げ表などをつくり、プランのおおよそを示す。これを基に検討や修整を加え、設計の方針がほぼ決まってから、さらに詳細な設計図書の作成にとりかかる。建築士に依頼する場合、基本設計完了時点で設計料の1〜2割程度を支払うことも。ハウスメーカーの場合は、相見積もりから契約前ぐらいの段階。
水道を住宅へ供給する仕組みのこと。2〜3階建てまでの一戸建ての場合は、水道本管から直接住宅内に送り込む水道直結方式が一般的。中高層マンションの場合は、地上の受水タンクにためてからポンプで高置タンク(高架水槽)まで押し上げ、落下する勢いで給水する高置タンク方式が主流になる。タンクを定期的に清掃する必要がある。最近は、4〜5階までの中層マンションなら、地域によって増圧直結方式で給水するケースも出ている。